外国人労働者を受け入れるメリットとデメリット|現状や受け入れ方法についても解説

ここでは外国人労働者の受け入れ状況を以下の4つの角度から見ていきます。

  • 全体の推移
  • 産業別の現状
  • 国別の外国人労働者の内訳
  • 資格別の外国人労働者の内訳

全体の推移

出典:厚生労働省

2016年に初めて100万人を超えて以降も順調な伸びています。将来的な労働人口の減少を見据え、外国人労働者の受け入れは、官民一体となって進められています。2016年に初めて100万人を突破した外国人労働者数は、2019年には約165万人を超えました。

産業別の現状

出典:厚生労働省

外国人雇用が最も多い産業は、製造業で前事業所数の20.4%です。次いで卸売業で17.4%、宿泊業・飲食サービス業で14・2%、建設業で10.7%となっています。国内で労働力不足が目立つような分野で受け入れが進んでいるといえます。特に建設業や製造業では労働者の確保が難しく、人材の定着が安定しないと言った問題も多く、外国人の雇用は必要不可欠に感じられます。

国別の外国人労働者の内訳

出典:厚生労働省

東南アジア諸国で、全体の43.6%と高い割合を占めています。日本で働く外国人を国籍別に見ると、最も多いのは中国で41万8,327人(25.2%)、次いでベトナムが40万1,326人(24.2%)となっています。このことから、中国とベトナムの2カ国からの労働者が、全体のおよそ半数を占めている状況にあることが見て取れます。また、ベトナム以外の東南アジア諸国に関しては、フィリピンが17万9,685人(10.8%)、ネパールが9万1,770人(5.5%)、インドネシアが5万1,337人(3.1%)となっています。

資格別の外国人労働者の内訳

出典:厚生労働省

外国人の中でも永住可能な資格者が全体の32.1%と最も多いです。近年では、特に技能実習生の人数が23.1%と増加傾向にあり、今後も増えていくと予想されます。また、留学生の増加に伴って労働人数が増えているのが資格外活動です。

外国人労働者の受け入れを国も「制度緩和」検討で後押し

  • 2019年に労働力確保に向けた新制度「特定技能」を導入
  • 労働欲不足の主要14分野で35万人以上受け入れ見込み
  • 永住や家族滞在が可能な業種を拡大する見直し

政府は2019に日本の労働力不足に向けた解決策として新たな在留資格「特定技能」を導入しました。当初は、14業種で5年間に最大34万5150人の受け入れが見込まれました。安倍元総理大臣も「外国人が働いてみたいと思えるような社会の実現に全力を尽くしてほしい」と指示する姿勢も見られました。実際は新型コロナで入国に制限がかかる前でも取得者は月3000人程度と利用者の拡大が課題でした。最近では、人材不足がさらに深刻化してきており全ての対象産業について永住や家族帯同が可能となる形での制度見直しを進めると言われています。

外国人労働者を受け入れるメリット

一般的に以下の8点が受け入れをお勧めするポイントになります。

  • 職場の活性化
  • 社内のグローバル化
  • 海外進出のきっかけ
  • 人材リソース確保
  • 多角的な視点の獲得
  • 国外情報のキャッチアップ
  • 社内研修・教育の強化
  • 多様性による社会貢献

外国人労働者を受け入れるデメリット

外国人労働者を実際に受け入れる際に起きやすいデメリットは以下になります

  • 文化の違い
  • 言語スキル
  • 手続きコスト
  • 受け入れまでの所要期間
  • 教育コスト

以下で詳細に説明します。

文化の違い

文化の違いによる懸念が多く見られます。その要因は文化的背景によるコミュニケーションの誤差が生まれるからだと思われます。なぜなら日本には「空気を読む」や「義理人情」などの特有の文化があるからです。

言語スキル


参考:日本語能力試験

これまで外国人の日本語能力は日本語能力検定図られてきました。最低レベルN5から最高レベルN1の間で判断されます。一般的に、N4があれば日本で仕事しながら生活できるとされています。各級でどの程度の日本語ができるかを下記にリストアップしましたので参考までにご覧ください。

独自の目安

  • N1 日常では問題なく会話ができる・話しの文脈やニュアンスを理科して仕事に取り組める
  • N2 高度な日常会話ができる・言われたことを理解して仕事に取り組める
  • N3 やさしい日本語で日常会話ができる・仕事上で簡単な質問ができる
  • N4 フレーズでコミュニケーションができる・現場でいつも使う単語がわかる
  • N5 単語でコミュニケーションができる

手続きのコスト

日本でビザ(在留資格)の申請をする際は出入国在留管理局へ申請書類の提出が必要です。ビザ(在留資格)の種類や取得済みのビザ(在留資格)が何かによって求められる書類が変わってきますし、行政ならではの専門用語や申請手順などもありますので申請には手間がかかります。

受け入れまでの所要期間

ビザ(在留資格)の種類によって就労開始までかかる期間が変わってきますが、書類作成にかかる期間と申請許可が下りるまでの期間を考える必要があります。早いもので約2週間かかり遅いもので約6ヶ月かかるものもあります。

教育コスト

外国人の雇用は、日本の新卒採用と同じと考えていただくのがわかりやすいです。受け入れてから日本語教育だけでなく、生活の教育や現場の教育をしなければなりません。


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外国人労働者を受け入れる方法

採用の流れ

  1. 自社が受け入れ可能なビザ(在留資格)を確認
  2. 外国人労働者の募集
  3. 求職者のビザ(在留資格)を確認
  4. 日本で行われる一般的な採用手続き
  5. 入国管理局へ申請
  6. 就労開始

⒈自社が受け入れ可能なビザ(在留資格)を確認

日本では様々な在留資格が存在します。従事させる業務内容や作業内容に合った適切な資格はあるかを確認することが必要です。

⒉外国人労働者の募集

募集方法はいくつか下記の方法があります。

  • 公的機関の利用
  • 人材紹介・外国人派遣会社の利用
  • 大学や語学学校からの紹介
  • 雑誌や自社HP、SNSの利用

など

⒊求職者のビザ(在留資格)を確認

就労ビザを持っていない、海外から外国人を呼ぶ場合

  • 外国人が卒業した大学の専攻と自社の業種がマッチするか
  • 外国人の犯罪歴
  • 日本への渡航歴

すでに就労ビザがある場合

  • 自社の業種とビザ種類が一致するかを確認
  • 就労ビザの更新期日、期日が切れていないかを確認
  • 資格外活動許可の取得有無を確認

⒋日本で行われる一般的な採用手続き

雇用条件書や秘密保持契約など基本的に会社で必要な手続きを進めます。


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⒌入国管理局へ申請

取得予定のビザ(在留資格)の申請に必要な書類を出入国管理局のHPで確認・様式ダウンロードをして書類を作成し、出入国管理局に提出します。

⒍就労開始

無事に審査が通り在留資格・在留カードが発行されましたら就労が可能になります。

各制度の必要書類

各制度における必要症については、制度ごとの求められる書類が異なります。詳細は出入国在留管理局のホームページに記載がありますのでご確認ください。

最後に、受け入れるときの注意点

厚生労働省が外国人労働者を雇用する事業主に雇用管理の改善を義務化していますので大きく3つに分けて簡単に説明しています。

  • 雇用改善の管理する担当者の設定
  • 外国人が働きやすい環境
  • 採用で気をつけるべきこと

雇用改善の管理する担当者の設定

外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、募集や採用、労働環境など厚生労働省が定める雇用改善の事項を管理させるために企業内の人事・労務課長の中から「外国人労働者雇用労務責任者」の選出を義務化しています。

外国人労働者が働きやすい環境

  • 労働条件では差別的な取り扱いをせず、賃金や労働時間を明確にし、就業規則や労働基準法について分かりやすく説明されている説明書を作成しましょう。
  • 安全衛生教育や労働災害防止の教育など外国人の方が内容を理解し、必要な知識を身に付けられるよう必要な配慮に努めましょう。

採用で気をつけること

  • 採用活動を行うときに国籍を条件にすることは禁止されています。スキルや能力などを条件に求人を出すようにしてください。
  • 外国人の方のビザ(在留資格)を確認するには口頭もしくは書面で申告してもらうのが一般的とされます。実際に採用が決まり次第、在留カード等の提示を求めましょう。
  • 就労させようとする仕事の内容が在留資格の範囲内であるか、在留期限を過ぎていないかを確認する必要があります。

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